Yext, Inc.【NYSE:YEXT】
Yext(イェクスト)は検索エンジンや外部サイトで企業の正確なオンラインデータを最新の状態に、自ら一元的にコントロールできるようにするサービスを提供。
Yextはデジタル・ナレッジ・マネジメント(DKM: Digital Knowledge Management)というカテゴリを切り開き、企業がデジタル・ナレッジ(オンライン上の自社サービス情報・店舗情報など)をクラウド上で一元管理し、たった1度の操作でGoogle、Facebookなど主要な情報配信チャネル全てにおいて統一的に自社が顧客に知らせたい情報を最新で正確なものに管理可能にするもの。
音声検索の最適化(VSO)ではたった1つの正確な情報のコントロールが重要
スマートスピーカーの米国の家庭(Wi-Fi)での普及率は2月時点で20%、その内30%は複数台を所有。(comScore調査)
マジかよということでVoicebot調査をあたってみたがこちらも米国の成人の19.7%がスマートスピーカーを所有とレポートを発表。
Source:https://t.co/75SAShwlsAhttps://t.co/IxLyZwwrUI pic.twitter.com/pgQeaESfyg
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) April 15, 2018
Alexa(Amazon Echo)やGoogle Home、Apple HomePodなどスマートスピーカーの普及が著しい。
スマホ、スマートスピーカーと普及のペースがどんどん早くなっている。
もしこれほどスマートスピーカーが普及するならAmazon Echo(Alexa)はどれだけ先見の明があったのか…最初(2014年)は「どこに需要があるのか」みたいな反応だったのに。 pic.twitter.com/t774KiAVEW
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) October 17, 2017
スマートスピーカーだけではなくMicrosoftのCortanaや、スマートフォンのSiri、Google Assistant、車載、そして将来的には自動運転車内などを含め、音声検索の利用者は増加していく。
2020年には世界中の検索で、音声検索が50%を超えると予想されている(米調査会社ComScore, 2016)
人間はタイピングの4倍の速さで話すことができるというデータもあり、環境が整ってくればさらに音声検索の比率は高まっていく可能性がある。
従来の検索エンジンは検索結果に複数のリンクを独自アルゴリズムでランキング化して表示し”消費者に選択させる”ステップをふませてきた。
しかし音声検索時代に検索エンジンや消費者から求められていることは、たった1つの最高の回答。
消費者や検索エンジンが信頼性のある最高の回答であると評価できるのは一次情報源であり、たとえば企業自身が発信した営業時間などの情報だ。
音声検索の最適化(VSO: Voice Search Optimization)としては、検索エンジンが認識できる形式にデータを構造化する必要があり、Yextも1行のコードだけで自社サイトに構造化データ(Schema.org)を組み込めるサービスを提供している。
消費者のために「答え」を絞る必要のある時代になってきた。
Googleがついに検索結果にGoogleが提示する情報以外の検索結果を表示しないテストを始めた。
すでにナレッジパネルで似たような動きはあったけど、最良の回答を機械学習で提示できるようになれば全部Google圏内だけで完結してしまう恐ろしさ。https://t.co/fOsOzJallM
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) March 15, 2018
Googleが提示するたった1つの回答以外の検索結果を表示しないというテスト(現在このテストは終了)が意味するものは、顧客体験の改善圧力の高まり。
消費者にとっての最高の検索体験とは最高の回答が的確にリンク先に飛ばずとも得られるもの。
検索エンジン最適化などといって大量の重複した情報を検索結果にぶっこんでいく時代は終わったのである。それは供給主導型であって需要主導型ではない。
供給主導の従来型のレガシー小売企業が需要主導型の小売企業に駆逐されているように検索結果もまた同様なのだ。
Googleの検索結果ではすでにナレッジパネルという欲しい回答が検索結果にダイレクトに表示されており、Googleマイビジネスという項目では店舗の営業時間や場所、レビューなど欲しい情報がまとまっている(Yextはここも管理するサービス)。
Googleなどの検索エンジンからすると、ナレッジ・グラフ・カード(ユーザーが求めているであろう情報をリンク先に飛ばすとも表示)の情報は検索体験を差別化するために重要なサービスであり、ナレッジ・グラフは正確で最新の当事者が直接配信してくれる情報を欲している。
たとえば、店舗が営業時間を変えたり、移転したり、禁煙に変えたり、バリアフリーにしたり、Wi-Fi対応したり、そういった一次情報を配信できるのは当事者である企業。
しかし企業がGoogleやFacebook、Yahoo、Bing、Yelp、TripAdvisorなどの媒体それぞれでバラバラに情報をコントロールするのは効率が悪い。また、フランチャイズチェーンなどは本社とフランチャイズで情報のコントロール権限も設定が必要だ。
そこでYextは、Googleやレビューサイトなどの情報配信チャネルと企業の間の複雑な工程を1度の作業で結びつけるワンストップパイプラインの役割を担っている。
Yextは時流にあったサービスを提供し、売上を伸ばしてきた。
自社サイトを見てくれるとは限らない時代に正しい企業情報のコントロール需要が高まる
自社サイトの2.7倍も他社の媒体で自社の情報が閲覧されている。
自社サイトよりも閲覧されているサードパーティ(第三者企業)サイトにおいて、ブランドのプロフィールを正確に維持する重要性は、例えば店舗の営業時間が間違っていた場合のブランド価値の毀損ダメージ・機会損失を想像すれば分かる。
外部サイトにおける自社の店舗の移転・営業時間など基本情報はもちろんのこと、季節限定商品や特別割引キャンペーンなど販促に結びつく情報も自社サイト同様にアクティブに最新・正確な情報にアップデートしていくことで消費者とのエンゲージメントを高めることができる。
Yextを使えば、企業がコントロールしたい全データを1つのデータベースで配信するだけで済み、Yextは配信チャネルパートナーが幅広い。
企業の発信情報管理クラウドプラットフォーム「Yext Knowledge Engine」
企業は顧客に知らせたい情報のすべてを、100以上の地図、アプリ、検索エンジン、GPSシステム、Google、Apple、Facebook、Microsoft Bing、Yahooなど提携したすべての媒体(PowerListings Network)に一斉に反映させ一元管理することができる。
Yextの導入によって厳密なデータクレンジングで、情報を正しい形式で統一し、重複するリスティングも排除。
Yextの顧客企業はデニーズ、ホームデポ、マリオットホテル、マクドナルド、グッチ、バーバリ、シティバンク、ベストバイ、チェイス、モルガンスタンレーなど。
たとえばデニーズ(NASDAQ:DENN)はYextの導入によって整合性を保った正確な情報を掲載しやすくなったことで検索表示回数が174%上昇したという。
デニーズは9割がフランチャイズ化されており、Yext導入以前は店舗に関する情報がバラバラで統一性がなかった。
Yextのカスタマイズ可能なプラットフォームでは本社とフランチャイズ業者のアクセス権限を別々に設定できるため、本社はコア部分である企業ブランドイメージとメッセージを一元コントロールしたまま、部分的にフランチャイズ業者にもローカライズされた情報配信の自由度を与え、来店も増やすことができたという。
同様に大部分がフランチャイズ化されている世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナル(NASDAQ:MAR)は2012年以来のYextの顧客で、Yext Listingsを利用して世界中の各ホテルの情報を正確に一元管理し、フランチャイズの各ホテルがリスティングをローカライズできるようにしている。
マリオットホテルが2016年にYext導入による予約状況に与える効果を半年間にわたって測定したところ、Yext Listingsを通じて予約された部屋によって得られた収入が全世界のホテルでは28.3倍の投資収益率(米国は41.7倍)という結果が得られ、検索数26%増、閲覧数は225%増という結果が得られたという。
顧客の契約期間は1~3年で、米国、英国、ドイツ、フランス、日本を中心に営業している。
ATMの営業時間や所在地、充電ステーションの所在地、宅配ボックスや運送会社のセルフサービス店舗、小売店ならギフト包装可能かどうか、などデジタル・ナレッジ・マネジメントの範囲は広い。
分かりやすい具体例でレストランのケースを説明しよう。
食事に関する検索の68%が、具体的なレストラン名を思い浮かべずに行われている。(Yext Google調査, 2017年10月)
消費者は、営業中かどうか、子ども用のシート有無、車椅子対応、グルテンフリー・メニューの有無、家族向け朝食、ビーガン向け、テラス有り、料金帯、ドレスコード、無料Wi-Fi有り、などの属性ベースの検索ワードで検索してくるようになっている。
そういった詳細な属性情報をYextを利用することで広範囲に簡単にコントロールできるようになり、検索可能性を高めることができる。
消費者の83.39%はオンラインで店舗のメニューを調べてから来店しており、店舗やメニューの情報を多く提供していればいるほど来店を増やすことができるという(Yext調べ)
Yextはこういった属性情報を2910万件も管理している(2018年1月末時点)。
Yextのテクノロジーパートナーは検索・ソーシャル・MAPとの提携を基本とし、また、SalesforceなどのB2Bソリューション・業務アプリと統合することによってYextプラットフォームで管理しているデジタル・ナレッジを、企業の他のソフトウェアと接続し、効率化することができるようになっている。
サブスクリプションモデルを採用しており、具体的な製品パッケージ詳細は以下の通り。
<Yextの最新の四半期決算データ>
スマートスピーカーの台頭⇒回答が音声で返ってくる場合、素早く1つの正しい回答を出す必要があり一次情報ソースは貴重
企業にとってYextを通して数百の媒体で一次情報データを配信・同期・一元管理できるので特にデータがバラバラだったフランチャイズ構造のところに強いhttps://t.co/CvcQH4pjzJ
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) March 11, 2019
Yextの年次業績推移グラフ
売上は伸びているが営業・フリーキャッシュフローの推移を見定めたいところ。グロスマージンは改善され続けている。
Yextの株価
2017年4月にIPOしている。
創業者であり現CEOのHoward Lerman氏が率いるYextは、2011年当時の主力事業でYextの売上の9割を占めていたYextcallsというPay-per-Call(着信課金型広告)の事業を売却して、反応がよかった新サービス(ビジネスリスティング)に一点突破的に集中するというかなりダイナミックな転換をしている。
決断力あるオーナー企業という点は変化の激しい時代においてはプラスかもしれない。
小型株なので株価ボラティリティは高く、振り回される。
Yextの決算を時系列でまとめる
<Yext ’19 Q4決算> 2019/3/6
EPS(Non-GAAP) -$0.03(ASC605 -$0.08) 予 +$0.06
売上 $63.76M (+32.8% Y/Y) 予 +$1M
<FY2020ガイダンス>
売上$295M~$300M (予:$297.61M) ~+31.4% Y/Y
EPS -$0.44~-$0.40 (予:-$0.38)
<Yext ’19 Q3決算> 2018/11/29
EPS -$0.12 予想 =
売上 $58.74M (+32.5% Y/Y) 予想 +$0.4M
<Q4ガイダンス>
売上 $62M~$63M (およそ+30.21% Y/Y)
Non-GAAP EPS -$0.09~$0.10
<Yext ’19 Q2決算> 2018/8/30
EPS -$0.10 予想 +$0.01
売上 $55.1M (+35.1% Y/Y) 予想 +$1.35M
<Q3ガイダンス>
売上 $57.5M~$58.5M (同: $58.23M)
EPS -$0.14~-$0.12 (コンセンサス: -$0.11)
<FY19ガイダンス>
売上 $226M~$228M (コンセンサス: $226.46M)
EPS -$0.43~-$0.41 (同: -$0.44)
<Yext ’19 Q1決算> 2018/5/31
EPS -$0.11 予想 +$0.01
売上 $51.1M (+37.8% Y/Y) 予想 +$1.64M
Yext決算 (NYSE:YEXT) Q1
EPS -$0.11 予想 +$0.01
売上 $51.1M (+37.8% Y/Y) 予想 +$1.64M検索エンジンや外部サイトで企業の正確なオンラインデータを最新の状態に、自ら一元的にコントロールできるようにするサービスを提供するSaaShttps://t.co/41aE8qBJ3Ahttps://t.co/kLmtYR0lzM pic.twitter.com/ESFJm7U5Wo
— 米国株 決算マン (@KessanMan) May 31, 2018
<Yext ’18 Q4決算> 2018/3/8
EPS -$0.10 予想 +$0.02
売上 $48.02M (+34.6% Y/Y) in-line
Yext決算<注* 3/8>
Yext, inc. (NYSE:YEXT) Q4
EPS -$0.10 予想 +$0.02
売上 $48.02M (+34.6% Y/Y) in-line<解説>
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