ユニオン・パシフィック鉄道（Union Pacific Corporation）は米国の主要鉄道の1社で、1862年にリンカーン大統領のもと国策会社として設立された米国の開拓史そのものである。
アメリカ西部から中部にかけて23州をまたぐ鉄道網で主要な西海岸、メキシコへの競争力のあるアクセスが可能で、カナダや東部ゲートウェイに接続。
特にメキシコはユニオン・パシフィックにとって1割を占める重要な要所であり、メキシコ最大の鉄道会社フェロメックスの株式26％を保有し、メキシコとの主要な6箇所のインターチェンジ全てにアクセス可能な地理的優位性を持っています。
ユニオン・パシフィック株価チャート
金融危機後、UNPは北米のシェール革命などで輸送ブームの恩恵を受けた。
バフェットの鉄道BNSFと共に米国西部での独占的な地位
米国西部ではUPと競合のBNSFの大手鉄道2つが鉄道網を並行して敷設しており、荷主にとって鉄道の選択肢は2社しかない（当然トラックやパナマ運河など代替はあるが）。
適切な範囲での競争は存在するが、存続が危ぶまれるほどの価格競争は起きていないため、濠の深い事業といえる。
Source: Wikipedia
米最大規模のコングロマリットであるバークシャー・ハサウェイの創業者であるウォーレン・バフェットは2009年の金融危機でバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道（BNSF）を買収した。
バフェットは金融危機前の2007年の時点でBNSF以外の鉄道株（UNPとノーフォーク・サザン）を保有していたが売り抜けている。彼が最も有望だと判断したのがBNSFだったため保有を続け、最終的には買収したのである。
バークシャーの社内インタビューによると東部の鉄道よりも西部の見通しが良いと判断したとしている。
西海岸は中国などアジアとの貿易の輸入増加の恩恵を最も受ける地域とされ、西部の2強鉄道であるユニオン・パシフィックも同様だ。
ユニオン・パシフィックの業績推移グラフ
輸送商品の主な内容としては農産物、自動車、化学製品、石炭や原油、工業製品、インターモーダル(鉄道とトラックを組み合わせた輸送)と多岐に渡るグローバルサプライチェーンを提供している。
304両編成でコンテナ2階建てというまさにBuilding Americaな光景
北米の鉄道会社
CSX（CSX）
―CSX Corporation
―アメリカ東部の鉄道会社（CPから買収提案を受ける）
ノーフォーク・サザン（NSC）
―Norfolk Southern Corp.
―アメリカ東部の鉄道会社
バークシャー・ハサウェイ（BRK.B）
―Berkshire Hathaway Inc.
―傘下のBNSFがUNPとエリア競合
カナディアン・ナショナル・レールウェイ（CNI）
―Canadian National Railway
―カナダから米中部にかけた鉄道網
カナディアン・パシフィック鉄道（CP）
―Canadian Pacific Railway Limited
―カナダの鉄道会社
カンザスシティー・サザン（KSU）
―Kansas City Southern
―米国中西部からメキシコ湾の鉄道
みんなの投資分析とコメント
バークレイズは鉄道株に強気になるのは時期尚早としてUNPとNSCをダウングレードしましたね。
ユニオン・パシフィックのQ3決算はこの地合いにしては良かったのでは。
EPS $1.50 市場予想 $1.43
売上高 $5.56B (前年比-10.0％) 市場予想 $5.64B
中国の貿易減、パナマ運河開通による取り扱い量が奪われる懸念あたりがテーマ視されてテクニカル的に際どいところにいますねユニオンパシフィック。
東の鉄道はNSCへの合併提案などで株価は反発してますが、西はイマイチ。鉄道は全体の先行指標の1つでもあるので今日あたりのUNP株価が底打ちなのかどうか注目です。
テクニカル的に重要なラインを割ってそれに伴い株価も$80割れ。
地合いが悪かったのとCSXの悪いガイダンスやカンザス・シティのがききましたね。
これがセリング・クライマックスなのか、あと10％ぐらい下げきってから反発するのか謎ですが、逆張りの難易度はやはり高いですね。