Salesforceの決算についてまとめます。
Salesforceについては以前に解説記事を書いているのでこちらも参考にしてください。
Salesforceの決算を時系列で毎回まとめる
まずは売上高成長率が鈍化していないかどうかのチェックと、サブスクリプションビジネスの状況の確認。
<Salesforceの最新決算データをビジュアル化(随時更新)>
セールスフォース決算まとめ
❶ FY2023までに売上高2倍ターゲット
❷ のために必要な約20%成長の維持はFY2020はいけると会社予想
❸ 中核だったセールスクラウドは11%成長でそれ以外のセグメントがより成長https://t.co/VTMuFpqfSN
— 米国株 決算マン (@KessanMan) June 4, 2019
FY2023にかけてFY2019の2倍相当の売上高を会社目標としている。
<Salesforce ’20 Q1決算> 2019/6/4
EPS(Non-GAAP) $0.93 予想 +$0.32
売上 $3.74B (+24.3% Y/Y) 予想 +$50M
<Salesforce ’19 Q4決算> 2019/3/4
EPS $0.70 予 +$0.15
売上 $3.6B (+25.8% Y/Y) 予 +$40M
<Q1’FY20ガイダンス>
売上 $3.67B~$3.68B (予: $3.69B) +22% Y/Y
EPS $0.60~$0.61 (予$0.63)
<FY2020ガイダンス>
売上 $15.95B~$16.05B (予: $15.99B) +20-21% Y/Y
EPS $2.74~$2.76 (予$2.76)
<Salesforce ’19 Q3決算> 2018/11/27
EPS $0.61 予想 +$0.11
売上 $3.39B (+25.6% Y/Y) 予想 +$20M
<Q4ガイダンス>
売上 $3.551B~$3.561B (予: $3.53B)
<FY20ガイダンス>
売上 $15.9B~$16B 20-21% Y/Y (予: $15.83B)
ビジネスフィールドとして重要なTAM(Total Addressable Market)は上記の通り。
セールスフォースのカバー範囲
そういえば春にブロックチェーンでセレンディピティがあったとか言ってたけどなんかDreamforceイベントで発表した?
Salesforce IR PDF: https://t.co/8qkVNnp4Tw pic.twitter.com/Cfnd4H7h0T
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) October 5, 2018
Salesforceのカバー範囲はかなりフルレンジで広く、CRMという強力なコアを中心に買収で補強しながら顧客企業のニーズをくんでクロスセルしていっている。
マイクロソフトなどと競合するプロダクトも拡充。
サービスナウがついにセールスフォースの競合比較資料に登場 pic.twitter.com/ALjdAzSm9v
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) 2018年10月5日
<Salesforce ’19 Q2決算> 2018/8/29
EPS $0.57 予想 +$0.10
売上 $3.28B (+27.1% Y/Y) 予想 +$50M
Mulesoftの買収による寄与は売上高のうち$122M
<Q3ガイダンス>
売上 $3.355B~$3.365B (コンセンサス: $3.36B)
EPS $0.49~$0.50 (同: $0.54)
<FY19ガイダンス>
売上 $13.125B~$13.175B (コン: $13.13B)
EPS $2.50~$2.52 (同: $2.31)
Datorama(デートラマ)を買収完了。
Salesforceのマーケティング・クラウドを補強するDatoramaはマーケティング・インテリジェンス(マーケティングと営業の膨大なデータソースを統合し可視化)のリーディングカンパニーとして、クラウド型AI分析プラットフォームを提供。
<Salesforce ’19 Q1決算> 2018/5/30
EPS $0.52 予想 +$0.06
売上 $3.01B (+25.9% Y/Y) 予想 +$70M
セールスフォース決算
Salesforce (NYSE:CRM) Q1
EPS $0.52 予想 +$0.06
売上 $3.01B (+25.9% Y/Y) 予想 +$70MSaaSの代表的企業。Mulesoft買収が割高だと指摘され株価は下がっていたが結局株価は戻ってきて時間外で株価は+4.6%と新高値付近。
セールスフォース決算まとめhttps://t.co/k7J4tfY5fs pic.twitter.com/ajqvgAnjlN
— 米国株 決算マン (@KessanMan) May 30, 2018
当初からSalesforceの中核だったセールスクラウドの売上高成長率はそれほどでもないが市場の成長速度より33%上回る成長。
そのセールスクラウドの売上構成比率を追い越しそうなサービスクラウドもかなり成長してきた。
たとえばSalesforceの副会長キース・ブロックは決算カンファレンスコールにおいて、サービスクラウドのサービスのひとつField Service Lightning(FSL)の需要が驚くほど高いと取り上げている。
自販機のルート巡回で商品補充したり、訪問修理などで技術者を派遣したりと、現場(Field)で行う設置・保守・メンテナンス業務で、その際には作業情報や顧客情報などが手元に必要で、そこをSaaSで効率化していくサービスに需要が高まっている。
コールセンターからケース管理までシームレスに効率化できるという。FSLは世界最大の食品飲料会社の1つ(コカ・コーラかペプシコのことだろうか?)が導入したようだ。
そして、かなり伸びているCommerce Cloudは、最近マーケティングにおける競合企業であるAdobeが主に大企業向けで人気のEC構築サービスMagentoを買収し対Salesforceで必要なパズルのピースを埋めてきた。
Salesforceは先手をうっており過去にB2CのECプラットフォームであるDemandwareを買収後、コマースクラウドとして統合し、さらにB2BプラットフォームのCloudCrazeを買収しコマースクラウドを拡張しようとしている。
Salesforceは売上の米国比率がかなり高く、米国外での成長余地はまだまだあるだろう。
APIベースの統合プラットフォームMulesoftをSalesforceが買収している。
他社のレガシーシステムにロックされているデータを解放し、販売、サービス、およびマーケティングなどを単一のシームレスな顧客体験に統合していくことを支援するのがMulesoftを買収したSalesforceの狙いの1つ。
ベンダーロックインからの解放という視点から重要視される「MuleSoftプラットフォームの中立性」には真摯に取り組むという。
たとえば、Salesforceに買収されたからといって統合を妨害するようなことはしないということ。システムがSalesforceに関係しているかどうかに関係なく、すべてのシステムを接続できるようにする。まぁこれは当たり前の話であって、それができなければMulesoftの価値はないのだから。
そういえば、タイムリーにSalesforceの創業経緯にフィットするAmazonの取り組みが面白かった。
キター AmazonのSaaSストア!
SaaSの先駆者であるセールスフォースは「なぜ法人向けソフトウェアは、Amazonで本を買うように簡単に機能を提供できないのか?」と創業したが、そのAmazonがSaaSストア開設というのはメッセージ性ある。https://t.co/60YXb5OYam
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) May 29, 2018
Salesforceは、米国株式投資番組の愉快な司会者かつ投資家のジム・クレイマーがクラウド・キングに選定しており、以前からジム・クレイマーはSalesforceの創業者Marc Benioff CEOをよく番組に呼んで話を聞いている。
最後に、カンファレンスコールにおいてSalesforceのクラウドサービスそれぞれで利用可能なAIサービスのEinstein(アインシュタイン)で利用された予測件数が前四半期の2倍の1日20億件まで利用が進んでいるという。理由の1つは使いやすいからだ、と。
<セールスフォース・ドットコムの株価>
過去の決算ログ:
<Salesforce ’18 Q4決算> 2018/2/28
EPS $0.35 予想 +$0.01
売上 $2.85B (+24.5% Y/Y) 予想 +$40M
全てコンセンサスを超えるガイダンスを提示。
’19 Q1ガイダンス
売上 $2.925B~$2.935B (予想$2.9B)
調整後EPS $0.43~$0.44 (予想$0.37)
FY19ガイダンス
売上 $12.6B~$12.65B (予想$12.55B)
調整後EPS $2.02~$2.04 (予想$1.75)
セールスフォース決算https://t.co/vdGo2AuALQ (NYSE:CRM) Q4
EPS $0.35 予想 +$0.01
売上 $2.85B (+24.5% Y/Y) 予想 +$40Mエンタープライズ向けクラウドソフトウエア大手。
全てコンセンサスを超えるガイダンスを提示。https://t.co/DcWFKnwcXg pic.twitter.com/w72RmRdi8M
— 米国株 決算マン (@KessanMan) March 1, 2018
<Salesforce ’18 Q3決算> 2017/11/21
EPS $0.39 予想 +$0.02
売上 $2.68B (+25.2% Y/Y) 予想 +$30M
セールスフォース決算 $CRM
EPS $0.39 予想 +$0.02
売上 $2.68B (+25.2% Y/Y) 予想 +$30MCRM(顧客関係管理)のリーディングカンパニー。https://t.co/jlgkwABpB6 pic.twitter.com/Lzaa4jUoYs
— 米国株 決算マン (@KessanMan) November 22, 2017
Salesforceは「当社サービスに対応できる洗練された拡張性の高いエンタープライズ向けのクラウド事業者はAWS以外に存在しない」と昨年から自社データセンターから4年契約でAWSに移行している。CRMの強みに集中するということだ。https://t.co/L5ntdMRQXg
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) July 14, 2017
…とあるがAWSと同様に2017年11月6日からグーグルともクラウドで提携した。
セールスフォースは「AWSとの関係に変更は無い」と、AWSとGCP(Google Cloud Platform)を併用する方針。
また、セールスフォース製品のコンサルティングやシステム構築を手掛ける、セールスフォースのトップパートナーのブルーウルフを2016年に買収したIBMとの関係もAI以外でも強化していく方針のようだ。
ということで、セールスフォースの決算ごとにキャッチアップし更新していきたい。