Okta, Inc.【NASDAQ:OKTA】
オクタ(Okta)は企業向けID管理クラウドサービスを提供するIDaaS(ID as a Service)プロバイダ。
特に2011年頃からクラウド時代が加速しSaaSサービス等は増加する一方だが、Oktaはそういったサービスを含め6000もの企業向けクラウドアプリケーション等の従業員の膨大なIDを効率よく管理するサービスを提供している。
Oktaは企業のID管理を効率化するクラウドサービス
Oktaはクラウドと社内問わずアプリケーションIDを管理できる。
特に社員数や利用アプリケーションが多い企業(とIT管理者)にとって複数のアカウント管理やアカウントごとの権限設定の効率化は課題だ。
ビジネスパーソンによく使われているOffice365やサービスナウ、Workday、JIRA(アトラシアンのプロジェクト管理ツール)などのID/パスワードをOktaに登録する事でシングルサインオンが実現できアカウント管理やログインプロセスが効率化される。
SSO: Single Sign-On
一度のユーザーアカウント認証処理で複数のアプリケーションなどを利用できるようにする仕組みで、サービスごとにユーザーIDとパスワードを入力しなくて済む。
従業員はこのOktaのポータル画面にログインするだけであとは利用したいアプリケーションごとのログインは不要となる。
新規アカウント発行やサービスごとの細かい権限設定はもちろん、退職者が出た時も退職者アカウントをスピーディーにIDの無効化ができるなどアカウント管理工数が削減でき、コスト削減につながっている。
Source: ガートナー
ガートナーの調査でもアクセスマネジメントにおいてOktaはリーダーポジションと評価されている。競合はPing Identity、Centrify、OneLoginなど。
Microsoftも競合しているがOktaの強みは独立系(中立)であること。
Oktaのアイデンティティークラウドは1人あたり月額4ドルなど安価な価格設定で、利用企業は3大信用調査機関で何度か取り上げているエクスペリアン、20世紀フォックス、リンクトイン、Nikeのスニーカーのスピード生産で提携していたことで話題のフレックス、アドビなど世界的企業で利用が拡がっている。
アカウントの適切な管理はセキュリティを保つ上で基本となり、Oktaの管理パネルでは従業員ごとにアプリケーションのアクセスログが視覚化され、共有アカウントなどのログもチェック可能。
企業のアイデンティティ管理という重要な入り口をおさえているため主にセキュリティ方面でクロスセルもしやすく、製品の幅を広げ続けている。
採用企業数が増えることでネットワーク効果がありそうな(Okta Integration Network圏内のビッグデータが影響)リスクの高いIP情報をリアルタイムで共有・評価するOkta ThreatInsightとOkta Verifyなどと組み合わせたコンテキストに応じたアクセス管理機能でパスワード不要でシングルサインオンを可能にするOkta Adaptive MFAは面白い取り組み。
パスワード自体がなくなる世界になったらOktaのビジネスはどうなる?という問いに答えてくれるサービスをすでに実装している。
Oktaの業績推移グラフ
(2018会計年度はTTM)
Oktaの決算や最新の業績詳細に関しては以下の記事で特集している。
サブスクリプションの伸びがすさまじい。マージンは上昇傾向。
Oktaの株価
2017年4月にIPO