モザイク(The Mosaic Company)は世界屈指のリン酸(穀物の肥料等の用途)生産を主力事業とする米国の肥料会社。モザイク社は世界最大規模の穀物メジャーであるカーギル(Cargill)の肥料部門と、米国で同業の肥料会社IGMグローバルを統合して2004年に設立された。
モザイク株価チャート
2011年にはカーギルは保有していた傘下モザイク社の株式64%を放出している(肥料価格暴落前に売り抜け)。穀物などのコモディティ価格はシクリカルな値動きをするため、株価もそのサイクルを反映している。
モザイクが生産するリン酸・炭酸カリウム・チッソ
世界の人口は2050年までに90億人以上に増えると予想されており、それに伴い穀物の需要は確実に高まっている。そして新興国が豊かになるにつれ牛肉などの消費の増加も見込まれており、そのための飼料の需要増大にも収穫量増加に不可欠なのは肥料(三大成分であるリン・カリ・チッソ)である。
モザイクの主力事業はリン酸肥料であり(本ページ最上部のIR資料参照)、カリウム鉱石やチッソの生産も行っている。まさに世界の胃袋をおさえるための肥料の重要な生産大手であり、ブランド肥料の生産も行う。
モザイクを取り巻くカリウム・リン鉱石生産業界については下記投資テーマページを参照
カリウムにおいては同業ポタッシュのシェアが高い。
肥料価格市況の悪化の中で、2013年に同業の肥料会社CFインダストリーズ・ホールディングス(CF)のリン酸塩肥料事業を14億ドルで買収を発表、2014年には穀物メジャーの米アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)からブラジルとパラグアイの肥料事業を3億5000万ドルで買収しており、カリ鉱山の生産設備余剰のポタッシュよりは積極的にポートフォリオの拡張を進めている。カリウムほどリン鉱石の生産は寡占ではないため、今後も統合が進んでいく可能性は高い。
ただしイスラエルのエレニルトなどのリン酸塩・リン酸生産事業への新規参入も多い。
モザイクの業績推移グラフ
同業肥料生産大手とアグリビジネス関連銘柄
ポタッシュコープ(POT)
―Potash Corporation of Saskatchewan Inc.
―ポタッシュ・コーポレーション・オブ・サスカチュワン
―カナダの肥料企業(世界最大肥料企業)
アグリウム(AGU)
―Agrium Inc.
―カナダの肥料企業
CFインダストリーズ・ホールディングス(CF)
―CF Industries Holdings, Inc.
―アメリカの窒素肥料会社
―モザイクはCFIからリン酸事業を買収した。
ウラルカリ
―Uralkali
―ロシアのカリウム生産大手
―中国政府系ファンドが12.5%出資
ベラルーシカリ
―Belaruskali
―ベラルーシ国営のカリウム生産企業
モンサント(MON)
―Monsanto Company
―GMO種子と農薬
デュポン(DD)
―E I Du Pont De Nemours And Co
―アグリビジネスの強化中。種子・農薬等
シンジェンタ(SYT)
―Syngenta AG
―スイスの種子・農薬メーカー
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
―Archer Daniels Midland Company
―米穀物メジャー
ディア(DE)
―Deere
―米農業機械メーカー
アグコ(AGCO)
―AGCO Corporation
―米農業機械メーカー
The Mosaic Company: http://www.mosaicco.com/