MongoDB, Inc.(NASDAQ:MDB)
MongoDBはオープンソースのNoSQLデータベースで、クラウド・ビッグデータ時代にフィットした柔軟でスケーラブルなデータベースとしてシェアを獲得してきた。
関係データベース管理システム(RDBMS)以外のデータベース。
主に、安定性・対障害性に実績のある従来のリレーショナル・データベース(RDB: Relational Database)の弱点を(場合によっては部分的に)補完するデータベース。
NoSQLといえばMongoDB
Redis, Cassandra, HBaseなど他の主要NoSQLを圧倒するマーケットシェア。
データベースエンジンランキングでもMongoDBは存在感がある。
データベースエンジンランキング
(注) 指標の元データはGoogle Trendsや求人における募集スキル、LinkedInなどでのプロフィールにおける登場回数などでインストール数ではない。
Source: https://t.co/Q5ppYVSb5O pic.twitter.com/1Gqxg5htct
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) June 12, 2018
従来のデータベース(RDBMS)はデータの一貫性保持が重要で、データの一貫性保持が必要ない場合にはコストが高い。
オラクルとSAPって最近の*aaS企業のIR資料の多くでディスラプトターゲットになってるのが定番になっててシュールだ。
ちなみにNoSQLデータベースで圧倒的シェアのMongoDBはDBaaS企業に進化してる。https://t.co/ZaRPX0tC2b pic.twitter.com/AYxFVQ2bHD
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) June 12, 2018
従来のRDBMSに格納するには事前にカラムを固定するなどスキーマ(データベースの構造・データの格納方法)を決める必要があったが、MongoDBはスキーマレスで多種多様な形式のデータソースのデータを取り込むことができる。
近年、非構造化データが増加しており、また変化が激しく事前にスキーマを決めずに開発しながら後からスキーマ(データ構造)を自由にデザインできる柔軟性に需要が高まっていた。
データ容量の拡張が容易で、スケールアウトしやすいためビッグデータの扱いが得意。
決算の投資家向け収支報告で言及された「ビッグデータ」と「AI」の推移を見るとビッグデータにまだ勢いがある。
Source: https://t.co/Dh4B9xKjYw
なるほど…ビッグデータのデータ加工・統合プラットフォームのオープンソース企業のTalendが急成長するわけだ。https://t.co/UBkaEsEems pic.twitter.com/MnzsfGBqOb
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) May 12, 2018
データが急増し続けるビッグデータ時代の追い風をうけてMongoDBは成長してきた。
また、既存RDBMSに分散したデータを手を入れずにデータ統合(データ集約)できるなどユースケースも多様で、スケーラビリティに優れる。
2018年7月末時点で顧客数は7400 (2018年4月末時点で顧客数は6600だった)
120%以上のARRエクスパンション・レートとコホートも優秀。
MongoDBの売上高成長率・マージンなどのデータを整理
MongoDB決算まとめ
❶ DBaaS(Database as a Service)のMongoDB Atlasの爆発的成長続き売上高の35%を占めるほどに。
❷ フリーキャッシュフローがプラ転。
❸ 顧客数14200で、ARR10万ドル以上の顧客数は598社(+51.8% Y/Y)https://t.co/DXjAEYZYfU
— 米国株 決算マン (@KessanMan) 2019年6月5日
また、Non-GAAPの営業利益率はこんな感じ。(以下の画像は2018年1月のMDB Needham Conference Presentation時点)
レガシーデータベースからMongoDBへワークロードが移行。
MongoDB自体はソフトウェアライセンスがAGPLでオープンソースだがMongoDB, Inc.が開発の中心でサポートや付加価値部分を商用版MongoDB Enterprise Advancedとして有償サブスクリプションで提供しており、それが収益源となっている。
さらに、フリーミアムモデルのDBaaS(データベース・アズ・ア・サービス)であるAtlasも成長しており、サブスクリプション売上高の中身も徐々に変化。
2016年6月に発表されたAtlasは売上の18%を占めるほどに成長(2018年7月時点)。
AtlasはMongoDBのマネージドサービスの”MongoDB as a Service”
つまり、MongoDBによる公式の管理サービスつきで運用を代行してくれるため、MongoDB構築・運用のためのコスト(人件費等)が不要になる。
もともとインストール・導入が容易だったMongoDBがさらに使いやすくなり、使った分だけ支払えばいい従量課金モデルで、無料プランもあるフリーミアムモデル。
アトラスの売上高の大部分はセルフサービスと効率の良い顧客獲得スタイル。
AtlasはAWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどのクラウドサービス上で利用でき、停止時間ゼロでデータをMongoDB Atlasに簡単に移行可能。
パートナー企業も強力で、導入実績も豊富で顧客も増え続けている。
MongoDBの株価
マルチプルはかなりリスクが高い水準である点に注意が必要だ。
高い売上高成長率ではあるがマージンがどの程度改善するか(販管費を絞ったら成長率がどの程度減速するのか)に注目したい。
MongoDBの決算を時系列でまとめる
<MongoDB ’20 Q1決算> 2019/6/5
EPS(Non-GAAP) -$0.22 予想 +$0.02
売上 $89.4M (+78.3% Y/Y) 予想 +$5.9M
<MongoDB ’19 Q4決算> 2019/3/13
EPS(Non-GAAP) -$0.17 予想 +$0.21
売上(ASC606) $85.5M (+70.8% Y/Y) 予想 +$11.5M
<MongoDB ’19 Q3決算> 2018/12/4
EPS -$0.30 予想 +$0.10
売上 $65M (+56.7% Y/Y) 予想 +$4.74M
<Q4ガイダンス>
売上 $73M~$74M (予: $64.77M) +74.3%~76.7% Y/Y
買収したクラウドデータベースプロバイダ(Database-as-a-Serviceのパイオニア)のmLabの寄与がQ4売上高およそ$5Mで、それを除いたオーガニック売上高成長率会社予想は 62.3%~64.7% Y/Y
顧客数は8300 +69% Y/Y
<MongoDB ’19 Q2決算> 2018/9/5
EPS -$0.41 予想 +$0.04
売上 $57.49M (+61.5% Y/Y) 予想 +$5.76M
MongoDB Atlasの売上高が前年比400%上昇し売上全体の18%を占めるほどに成長。
顧客数は7,400と前年同期比で72%増加。
<Q3ガイダンス>
売上 $59M~$60M (コンセンサス: $57.57M)
EPS -$0.40~-$0.38 (同: -$0.39)
<FY19ガイダンス上方修正>
売上 $228M~$230M (同: $219.68M)
EPS -$1.66~-$1.62 (同: -$1.62)
<MongoDB ’19 Q1決算> 2018/6/6
売上 $48.22M (+48.9% Y/Y) 予想 +$1.81M
サブスクリプション $44.6M (+53% Y/Y)
FCF -$8.4 (+47.6% Y/Y)
<Q2ガイダンス>
売上 $51M~$52M (コンセンサス: $50.11M)
営業損失(Non-GAAP) -$23.5M~-$23M
<FY19ガイダンス>
売上 $217M~$220M (コンセンサス: $214.44M)
営業損失(Non-GAAP) -$84M~-$82M