Huazhu Group Limited【NASDAQ:HTHT】
華住酒店集団(华住酒店集团:HUAZHU Hotels Group)は中国の格安~中価格帯ホテルブランドの大手ホテルグループ。
中国で主に低価格帯と中価格帯のホテルチェーンを展開している。
中国の格安ホテルチェーンに加え、中価格帯のホテルブランドを強化
華住酒店集団は中国の格安ホテルチェーンとして2005年に創業し、2013年に怡莱酒店を買収、2017年に桔子水晶酒店(Crystal Orange Hotel)を5億4000万ドルで買収しホテルポートフォリオの幅を広げ、今後は中価格帯のホテルブランドを軸にパイプラインを開発していく方針。
ターゲットしている層に合わせたホテルブランドポートフォリオ。
メルキュール(Mercure)は中級ホテルブランドで、イビス(Ibis)はエコノミー型ホテルブランド。
メルキュールとイビスなどはフランス大手ホテルチェーンで世界6位のホテルグループのAccorHotels(アコーホテルズ)と戦略的提携し、アコーのホテルブランドのフランチャイズ経営および共同開発を行っているもので、アコーホテルズと華住酒店集団の両社は株式を持ち合い、華住酒店集団の役員にアコーの会長がついている。
アコーホテルズと華住酒店は2014年から提携(アコーホテルズが華住酒店集団の10%の株式を取得)し、華住酒店はアコーの中国における高価格帯ホテルブランド部門に10%出資していた。2018年には華住酒店がアコーホテルズに4.5%出資。
アコーホテルズの中価格帯のホテルブランドを華住酒店がフランチャイズ展開するものの、ソフィテルやプルマンなど高級ホテルはアコーホテルズが直接運営する。
中国で注目の連続起業家が創業した華住酒店集団
華住酒店集団創業者の季琦(Qi Ji)氏はシリアルアントレプレナー(連続起業家)として成功をおさめてきた注目の人物。季琦氏は26%の株式を保有。
季琦氏は今や中国圧倒的シェアのOTAとなったCtrip共同創業者で1999年~2001年にかけてCtripでCEOを務め、2002年からビジネスホテルチェーンの如家酒店集団(Homeinns Hotel Group)を創業し、これもNASDAQに上場させる手腕を発揮。
NASDAQに上場させた後、別のビジネスホテルチェーンである汉庭酒店(Hanting Hotel:ハンティン・ホテル/漢庭酒店集団)を設立し、高級ホテルとして禧玥酒店、そして中価格帯ホテル比率を高め(全季酒店やフランチャイズ中心の星程酒店)格安ホテルチェーンのイメージを払拭するため2012年に華住酒店集団という華々しい社名に変更。
明らかに如家酒店集団(主力ブランドは如家快捷酒店)と競合するビジネスホテルチェーンを立ち上げたのが非常に興味深く、何かあったのかと勘ぐってしまう。
トップ325グローバルホテルグループの推移みると中国のホテルグループがかなり浮上している。
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そんな如家酒店集団は2015年にBTG Hotels(北京首旅酒店集団)に総額110億5100万元で買収されている。
競合のエコノミーホテルの七天連鎖酒店(7DaysInn)を運営する鉑涛集団はバルセログループと組み、高級ホテルブランドに強い世界最大手マリオット・インターナショナルは東呈酒店集団と提携するなど中国における競争激化とそれに伴う寡占もこれから進んでいきそうだ。
2017年はADR(平均客室単価)を上昇させているのが分かる。
Revenue Per Available Room: 販売可能客室数あたりの客室売上高
RevPARは宿泊部門の収益性を表すメジャーな指標。改装の影響や利用されなかった客室の損失分も含み、チェーン間や競合ホテルとの比較がしやすくなる
RevPAR=OCC (Occupancy:客室稼働率) × ADR (Average Daily Rate:平均客室単価)
基本的にトレードオフの関係にあるOCCとADRを単体で見るより収益性を比較しやすい。
中国のホテル業界はまだ米国ほどの寡占化まではいっていない
米国と違い中国はまだ大手ホテルブランドによる寡占化がそこまで進んでいない。https://t.co/OE9s7IE2yj pic.twitter.com/mRLh7D5fsK
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米中比較は小売りもホテルも面白い。 pic.twitter.com/56gCjQdSVO
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) 2018年6月14日
まだまだ寡占化とは程遠い。(買収による成長戦略が機能しそう)
1人あたり可処分所得と余暇支出の増加。
OTAとの戦いもあるだろうが、会員特典を強化し、自社ホテルポートフォリオに顧客をロックインするための取り組みを強化している。
華住酒店集団の業績推移グラフ
Huazhu Groupの株価
2018/6/1付で旧社名China Lodging Group(チャイナ・ロッジング・グループ)からHuazhu Group Limitedへ社名変更。
2018年8月28日、華住酒店グループの漢庭(Hanting Hotel)、禧玥(Joya Hotel)、桔子水晶(Crystal Orange Hotel)などのホテルチェーンの顧客情報およそ5億件がハックされて流出したと報道された。
華住酒店集団の決算を時系列でまとめる
<Huazhu Group ’18 Q2決算> 2018/8/22
EPS $0.28 予想 +$0.03
売上 $381.02M (+25.9% Y/Y) 予想 +$18.51M
<Huazhu Group ’18 Q1決算> 2018/5/14
EPS $0.15
売上 $333.4M (+26.5% Y/Y) 予想 -$16.11M
Huazhu Group決算<5/14>
旧China Lodging (NASDAQ:HTHT) Q1
EPS $0.15
売上 $333.4M (+26.5% Y/Y) 予想 -$16.11M<解説>
世界6位のホテルグループであるフランスのアコーホテルズと戦略的提携している中国の格安ホテルチェーンhttps://t.co/Ds9ro4lWqt pic.twitter.com/QTTpEVDt1Z— 米国株 決算マン (@KessanMan) June 14, 2018