Fair Isaac Corporation【NYSE:FICO】
フェア・アイザック(FICO)はクレジットスコアの提供や、予測分析ソフトウェア会社。
米国の大手金融機関上位100社中90社がリスク評価に活用し、融資判断の90%超で使われる信用スコア「FICOスコア」を提供。
借り手としての信用評価のため、クレジットカード利用情報(支払い履歴)や借り入れ残高などの信用情報を元に個人の信用力としてクレジットスコアを算出(ランク付け)している。
米国では、FICO credit score=FICO信用スコアで、個人の信用度を判定。300点から850点の間で評価。
米国消費者のFICO信用スコアの平均点は700点前後で推移。
評価事項は返済履歴、債務残高、利用ローンの種類等https://t.co/WFu1i3z7mC pic.twitter.com/vXS0rss61x— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年8月13日
FICOスコアの目安
プライム層: 750点以上(優良顧客)
サブプライム層: 660点以下
ディープサブプライム層: 300-500点
消費者行動を予測するFICOのビッグデータとクラウドソリューション
欧米における融資審査の定番の与信スコアやモニタリングを行う3大クレジットビューロー(個人信用調査機関)であるエクスペリアン(Experian LON:EXPN)、エクイファックス(Equifax NYSE:EFX)、トランスユニオン(TransUnion NYSE:TRU)などがあり、2017年にずさんなセキュリティ管理で1億人以上の個人情報を流出させ株価が暴落した(だいぶ戻ってきた)Equifaxはともかく総じて業績が堅調に推移している。
FICOはこれら3大個人信用調査会社に1991年からリスクスコアを提供し、現在はFICOスコアは米国で最も使用されているクレジットスコアとなり、各種融資・住宅ローンや賃貸など、幅広い信用調査で活用されている。
消費者行動を予測するためのFICOのビッグデータと数学的アルゴリズムで、リスク管理、不正検知、優良顧客との関係構築、業務最適化のための分析ソフトウェアとツールを提供し、クラウドへの投資(買収も含め)の結果、今ではそのほとんどがSaaSベースでも提供可能となっている。
これまで日本では優良顧客との関係構築(優良顧客に金融機関は融資したい)という観点よりも、どちらかというと不良顧客を避けるブラックリスト構築に力をいれていたように思われる。
クレジットスコアで最も米国で使用されているFICOスコアの優位性が崩れるとしたら、中国Alibaba(傘下のAlipay)が提供する社会信用スコア「芝麻信用」のように、オンライン上の購買・行動などありとあらゆるデータを利用した新しい信用調査が伸びてくることだが、米国で芝麻信用のような信用スコアをたとえばGoogleやAmazonなどが個人ユーザーの検索内容・メール内容・購買履歴などから信用調査しデータを提供しようとしたらおそらく大バッシングになりそうなものだ。(ちなみにすでにAmazonはマーケットプレイス出店の中小企業向けには自社のビッグデータから与信管理し融資をしている。)
それでもクレジットカードの延滞一つでクレヒス(クレジットヒストリー)が傷つくことにビクビクする状態に比べたら、もっと多様な(キャッシュフローベース等)信用スコアのあり方があってよいはずなので、3大信用調査会社やFICOなどの寡占を打破するFinTechあるいはTechFin(by Jack Ma)も幅広く普及してほしいところ。
<追記>
とかいっていたらFICOもそんなことは分かっているといった具合で、銀行口座や投資口座の残高や管理状況もみて信用スコアリングを行うUltraFICO Score(ウルトラFICOスコア)を発表。
このウルトラFICO Storeは前述のクレジットビューローのエクスペリアン(Experian)と銀行など金融データAPIのFinicityとパートナーシップ。
まずはパイロットプログラムとして、クレジットカードを使うことができないために信用を作ることが難しい層をカバーし、その後スコアの微調整を経て幅広く展開していく予定だという。
FICOの業績推移グラフ
FICO決算まとめ
❶ No.1シェアのクレジットスコア「FICOスコア」を提供
❷ 米国における全ての融資決定の90%にリスク評価のためFICOスコアが使われる
❸ オンプレミスからクラウドシフト中。https://t.co/61KIPfNOBN
— 米国株 決算マン (@KessanMan) 2019年6月13日
キャッシュの使いみちのほとんどが自社株買いとなっている。
FICOの株価
芝麻信用(とAlibaba競合テンセントの腾讯信用)が中国で急速に受け入れられたように、信用を可視化すること自体はビジネスを効率化するものなので、信用スコアのようなビジネスは無くなることはないのではないだろうか。
FICOの決算を時系列でまとめる
<FICO ’19 Q2決算> 2019/4/30
EPS(Non-GAAP) $1.56 予想 -$0.07
売上 $278.23M (+8.6% Y/Y) 予想 -$2.94M
<FICO ’18 Q3決算> 2018/11/1
EPS $1.89 予想 +$0.36
売上 $279.79M (+10.5% Y/Y) 予想 +$7.09M
クラウドが伸びている。ウルトラFICOスコアについて深掘りして調べる価値はありそうだ。
<FICO ’18 Q1決算> 2018/1/25
EPS $1.30 予想 +$0.21
売上 $235.32M (+7.2% Y/Y) 予想 -$0.31M
FICO決算 (NYSE:FICO) Q1
EPS $1.30 予想 +$0.21
売上 $235.32M (+7.2% Y/Y) 予想 -$0.31Mクレジットスコアリングなどの分析ソフトウェアの企業https://t.co/qMfR010MvA pic.twitter.com/EtmxRmmvSX
— 米国株 決算マン (@KessanMan) January 26, 2018
<FICO ’17 Q4決算> 2017/11/1
EPS $1.65 予想 -$0.04
売上 $253.21M (+7.4% Y/Y) 予想 +$5.41M
フェア・アイザック決算 $FICO
EPS $1.65 予想 -$0.04
売上 $253.21M (+7.4% Y/Y) 予想 +$5.41M事業者向け意思決定管理・分析ソリューション。FICO credit scoreで有名https://t.co/8BRMD2OF7L pic.twitter.com/x7lAOVaOMW
— 米国株 決算マン (@KessanMan) November 2, 2017