カナディアン・ナショナル・レールウェイ(Canadian National Railway)はカナダ国内最大の鉄道会社で、大西洋から太平洋までの大陸横断鉄道として、さらにアメリカを南北にメキシコ湾まで接続する長い鉄道を持つ。
1995年に民営化されるまでは長らくカナダ国有鉄道だった。
カナディアン・ナショナル鉄道の株価チャート
ビル・ゲイツの資産運用会社であるカスケード・インベストメントが大量に保有している。
競合する鉄道会社に比べコスト効率が高く、高い営業利益率を有している。
シェールブームに対するフレキシブルな業績の伸ばし方や、ブーム下火の際のレイオフ・残業時間の削減・リース車の削減などで変化に対するコスト管理の即応性に優れる。
線路や車両や安全対策への再投資だけでなく、顧客の輸送計画をよりタイムリーに視認性よく効率化できるiAdviseプログラムなどイノベーションへの投資も継続している。
カナダと米国を横断するハブとなる鉄道網の優位性
大西洋・太平洋・メキシコ湾と3海岸に効果的にアクセスできる稀有な鉄道網(パナマ運河拡張はネガティブ)で、バンクーバーやプリンスルパート港湾へのルートによってオイルサンド地域へのアクセスの優位性があり、そのためシェール革命(原油やフラッキング用の砂の運搬)、カナダのタールサンド、バンクーバーなど太平洋に面した湾岸からの中国への輸出入アクセスと北米のサプライチェーンのハブとして強い競争力を持っている。カナダの世界的なカリの産地にもルートがあるため、原油とあわせて米国以外にも中国などとのルート交渉に強い。
カナダが米国に可決を求めているキーストーンXLパイプライン計画が進展した場合、石油を輸送する役割として新たな競合が生まれることとなる。
カナディアン・ナショナル・レールウェイ業績推移グラフ
カナダ政府の規制によってスピードや安全対策など様々なコストがのしかかるがCNは先手をうつ投資で効率の良い事業運営を成し遂げている。
CNの鉄道は豪雪もなんのその。
雪は鉄道のトラフィックを脅かすが一番の脅威はストライキだ。
ただし、鉄道会社のストは世界のサプライチェーンに大きく影響を与えるため、政府がしばしば介入し早期解決する。カナディアン・パシフィック鉄道の労働組合のストに対して政府が職場復帰法案の提出を示唆するなど労組に不利な圧力をかけることすらある。また、湾岸労働者のストによっても鉄道の輸送に大きく影響を与えることがある。
北米の鉄道会社
カナディアン・パシフィック(CP)
―Canadian Pacific Railway Limited
―カナダ2位の鉄道会社
ユニオン・パシフィック(UNP)
―Union Pacific Corporation
―アメリカ西部の鉄道会社
CSX(CSX)
―CSX Corporation
―アメリカ東部の鉄道会社
ノーフォーク・サザン(NSC)
―Norfolk Southern Corp.
―アメリカ東部の鉄道会社
バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)
―Berkshire Hathaway Inc.
―傘下のBNSFは米西部の鉄道網
カンザスシティー・サザン(KSU)
―Kansas City Southern
―米国中西部からメキシコ湾の鉄道
みんなの投資分析とコメント
Canadian National RailwayのQ3 決算は良かったですね。
EPS C$1.26 市場予想を C$0.11 も上回る
売上高 C$3.22B (前年比+3.2%) 市場予想を C$20M. 上回る
耐久財受注の指標が悪かったこと、UPSの決算内容で貨物ボリュームに懸念があったこと、原油安、そしてなによりPTC(Positive train control)の期限延長法案が通らないとヤバいよと鉄道会社が警告したこともあって鉄道株は今日は総じて散々でしたね。
カナダ産原油をアメリカに運ぶ「キーストーンXL」パイプライン建設はオバマ元大統領に阻止されてきたけど、トランプが昨日キーストーンXL建設を推進する大統領令に署名した。
現状カナダ産原油は米国産原油に比べて3割も安く、需要があり、パイプラインは鉄道で重質油を運ぶよりも安全であることと、競争相手が増えるためCNにとっては痛い。
よって今日は素直にCNは株価が下げで反応しましたね。
CSXの件もあるし、CNにとって2大懸念は浮上してしまったものの
でもCNの決算はよかったし、長期で保有する分は放置してます。