BOX, inc.【NYSE:BOX】
ボックスは企業向けクラウド・コンテンツ・マネジメント・プラットフォームの世界的リーディングカンパニー。
Box創業者アーロン・レヴィCEO「我々のビジョンはシンプルな形で仕事の情報にアクセスしたり共有したりできるようにすること」
クラウド型のファイル共有・コンテンツ管理・コラボレーションツールの「Box」は、職場でも外出先でもセキュアにクラウドでファイルを共有したり共同で編集したりできる。
社外でもタブレットやスマートフォンなどからBoxアプリを通して社内ファイル・業務情報を閲覧できるようになるため営業職が膨大な紙資料を持ち歩く必要もないし、働き方改革において開発職が自宅で作業をする時にも便利だ。
Boxを全米上位500社の大半が導入
2005年創業当初は消費者向けクラウドストレージとしてはじまったが、2007年には企業向けに注力する戦略的転換を行い、現在では世界中で8万社以上が利用しているサービスとなっている。
すでにFortune 500の67%の企業がBoxを導入。
Boxは、ファイル共有だけではなく、企業が求める管理機能(ログ管理、ユーザーやファイル管理、MDM連携等)を豊富に提供している。
エンタープライズプランはBoxジャパンの販売代理店が仲介している。
その下位モデルのビジネスプランでも1ユーザーあたり月額1800円でクラウドストレージ容量は無制限。
ストレージ無制限の意味は「仕事のデータはBoxに全てある」ことを実現し、ファイルを探したり同期を確認したりするコストを削減できシンプルに運用できる上、ネットワークによって社内だけではなくパートナーやクライアントともBoxでつながって情報共有し、協業しやすくなった。
↑共同編集の様子。
大企業がクラウド導入を躊躇する大きな理由はセキュリティだったが、Boxは国家機密にも対応できる高度なセキュリティー水準だ。
2017年4月にはBoxは米国国防省セキュリティ基準Level4を獲得し、国家機密情報を保存可能になるほどのセキュリティで、アメリカ司法省やイギリス政府機関でもBoxが利用されているという点でセキュリティの実力が示されているだろう。
このセキュアな環境で社内・社外問わない協業のしやすさの上、あらゆるアプリケーションと連携できる点が他社に対するBoxの優位性だ。
Boxのエコシステム
Boxは高いセキュリティ水準でファイル共有サービスを中核としたプラットフォーム(箱)を作り、API経由(外部システムとの連携を可能にする)で1000種類以上の他社のアプリケーションとつながるエコシステムを形成するプラットフォーム戦略をとっている。
クラウド×オープンAPIの時代は、閉ざされた企業は敗北する時代になってしまった。
APIによって顧客はベスト・オブ・ブリード(分野ごとに最適なサービスを選択する)が可能となったため、Box自身も競合であるマイクロソフトやGoogleなどとも協業するし、どこか1つから全てのサービスを選択するという時代ではなくなってきた。
Boxが連携する1000種類以上のアプリケーションに自動的にセキュリティを追加できる上、さらにカスタムアプリケーションの開発を容易にするSDKとUIキットも用意している。
たとえば、紙と印鑑による契約作業をクラウドに置き換える「クラウドサイン」を利用したければ、Box上のアプリマーケット「Box Apps Marketplace」からクラウドサインアプリをダウンロードすればBox上で契約書作成・締結・保管までの連携作業が可能となる。
Boxと他社サービスの比較と評価
企業向けコンテンツコラボレーションプラットフォーム市場でBoxがリーディングカンパニーと評価
Source: Gartner Content Collaboration Platforms (EFSS)
市場の変化により従来の”企業向けのファイル同期および共有”(EFSS: Enterprise File Sync & Share)からコンテンツコラボレーションプラットフォーム市場という定義づけになっている。
MicrosoftやGoogleなどはもちろん、消費者向けに強いドロップボックス(Dropbox)やWorkspace as a Service(WaaS)として強力なプレイヤーであるシトリックス(Citrix)など競争が激しい領域だ。
2016年クラウドストレージ満足度調査でBoxが首位
Source: J.D. Power 2016 Cloud Storage Satisfaction Report
Boxは価格、ストレージ容量、機能の豊富さ、ファイルのダウンロード・アップロード速度、セキュリティなどの項目で高得点だったが、僅差ではある。
ボックスの業績と決算
キャッシュバーン企業だったが、ようやく営業キャッシュフローが上向いてきたというところで初心者向けではない銘柄(何度も言うが米国株は基本的にIVVなどのS&P500ETFでOK)。
<Boxの最新の四半期決算データ>
Box決算 (NYSE:BOX)
EPS -$0.06 予想 +$0.01
売上 $155.94M (+20.6% Y/Y) 予想 +$1.36M<Q4ガイダンス>
売上 $163.5M~$164.5M (予: $164.22M)上昇傾向だった解約率は横ばい。株価は時間外で+6.7%
企業向けクラウド型ファイル共有サービスhttps://t.co/msV3Anqjynhttps://t.co/bHz487e8WL pic.twitter.com/BpTEiCSdsG
— 米国株 決算マン (@KessanMan) November 29, 2018
Boxの業績推移グラフ
*2018年度はTTM
<Boxの株価>
Boxの決算を時系列でまとめる
<Box ’19 Q3決算> 2018/11/28
EPS -$0.06 予想 +$0.01
売上 $155.94M (+20.6% Y/Y) 予想 +$1.36M
<Q4ガイダンス>
売上 $163.5M~$164.5M (予: $164.22M)
フリーキャッシュフローはQ4およびFY19を通してプラスになる予定。
<Box ’19 Q2決算> 2018/8/27
EPS -$0.05 予想 +$0.01
売上 $148.2M (+20.5% Y/Y) 予想 +$1.66M
販管費を絞ってきたのは良いとして、解約率の上昇傾向が気になるところ。
SaaSなどで重要な解約率についてはユーザベースの佐久間氏のグラフからイメージしやすい。
縦軸: 売上高(ARR)
横軸: リリース後経過年数
前提: 毎年グロスで100の新規ARRを獲得した場合「持続的に成長できるのは、解約率が10%以下の場合だけ」という。
Source: https://t.co/ZFxoQRyQA9 pic.twitter.com/tyXh07IZeI
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) August 29, 2018
<Q3ガイダンス>
売上 $154M~$155M (コンセンサス: $154.98M)
EPS -$0.08~-$0.07
<FY19ガイダンス>
売上 $606M~$608M (コンセンサス: $606.53M)
EPS -$0.18~-$0.16 (同: -$0.18)
<Box ’19 Q1決算> 2018/5/30
EPS -$0.07 予想 +$0.01
売上 $140.5M (+19.9% Y/Y) 予想 +$0.88M
Box決算 (NYSE:BOX) Q1
EPS -$0.07 予想 +$0.01
売上 $140.5M (+19.9% Y/Y) 予想 +$0.88M企業向けクラウド型ファイル共有・コラボレーションツール大手。https://t.co/msV3Anqjynhttps://t.co/vtk0FfyMBw pic.twitter.com/rYIUY5wIt6
— 米国株 決算マン (@KessanMan) May 30, 2018
<Box ’18 Q4決算> 2018/2/28
EPS -$0.06 予想 +$0.02
売上 $136.7M (+24.4% Y/Y) in-line
コンセンサス以下のガイダンスで下げる。
Box決算 (NYSE:BOX): Q4
EPS -$0.06 予想 +$0.02
売上 $136.7M (+24.4% Y/Y) in-lineDropbox上場となると業績比較からしてそっちに人気が集まりそうだが。https://t.co/msV3Anqjyn pic.twitter.com/lnnMhAGVNB
— 米国株 決算マン (@KessanMan) March 1, 2018
BOX創業者/CEOのDropbox上場についてのインタビューhttps://t.co/PkOIK5vK2c
Dropboxが自前インフラに移行し節約したのに対し、BOXは自前ではなくパブリッククラウドに移行、理由はコスト削減より(B2Bとコンシューマー向けとの違いもあり)規制の対応などを優先したためという。— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) March 15, 2018
競合でIPOをひかえるDropboxが自前インフラに移行しコスト削減し利益率を改善したのに対し、BOXは自前インフラではなくパブリッククラウドに移行、理由はDropboxのように自前インフラによってコスト削減できないわけではなく、節約より(B2Bとコンシューマー向けとの違いもあり)各国の規制の対応などを優先したためという。
<Box ’18 Q3決算> 2018/11/29
EPS -$0.13 in-line
売上 $129.3M (+25.8% Y/Y) 予想 +$0.66M
$BOX 決算
EPS -$0.13 in-line
売上 $129.3M (+25.8% Y/Y) 予想 +$0.66M解説:
ボックス【BOX】クラウド型ファイル共有・コラボレーションツールで世界No.1企業https://t.co/msV3Anqjyn pic.twitter.com/CaYK0jIqgo— 米国株 決算マン (@KessanMan) November 30, 2017
2018年度FYガイダンス:
売上 $505M~$506M (コンセンサス $505.84M)
EPS -$0.45~-$0.44 (コンセンサス -$0.45)
決算のタイミングがITセクターのモメンタムがややクラッシュしていたこともあり、投資家マインドは冷えている。
決算後の株価は下落で始まる気配(プリマーケット)で、ボックス相場を形成していたところがひとまずのサポートか…
$BOX のボックス相場。 pic.twitter.com/AMq0qc31Ik
— 米国株 決算マン (@KessanMan) October 13, 2017