Ross Stores, Inc.【NASDAQ:ROST】
ロス・ストアーズはTJXと共に米国最大級のオフプライスチェーンで、ブランド物の服を低価格で宝探し感覚でGETできることで人気。
AmazonのようなECサイトの成長の裏では百貨店が売上が伸びず苦戦しているが、百貨店で販売されているような人気ブランドを安価で販売するロス・ストアーズはECサイトの影響もこれまでほとんどなく売上をガンガン伸ばしてきた。
ROSSの驚くべき安さ。
ロス・ストアーズの米国のファッション系アウトレットストア店舗ロス・ドレス・フォー・レスでは、20%~60%とかなり安くブランド商品が見つかるため、掘り出し物を探す楽しみ(トレジャーハントもコンセプト)を提供している。
なんといっても小気味よく韻を踏んだ店舗名「ROSS DRESS FOR LESS」がユニーク・セリング・ポジション(他社と明確に区別する訴求ポイント)そのものを表していて良い。
グアムやハワイなどでも旅行客に人気でロス・ストアーズの顧客層の70-75%が女性。
扱っている商品はファッション中心で雑貨なども。
ROSS DRESS FOR LESSが1412店舗と米国最大級のオフプライスアパレル・雑貨ファッションチェーン。
dd’s DISCOUNTSが215店舗
(同、ROSSは500店舗まで成長できると想定)
ECの影響とともに売り場面積の拡大の過剰の反動のモール不況で、多くのショッピングモールが閉鎖されるか閑古鳥だったりして、スターバックスもその影響を受けて買収したティー専門店のティバーナの全店舗閉鎖を決定したほど。
アマゾンCEOベゾス出資先メディア「Amazonではなかった…アメリカの小売業を低迷させた2つの元凶」https://t.co/UJlqnWBi8p
・そもそもショッピングモールや小売店は供給過多すぎた(分かる)
・米国小売面積の余剰は、1ft²あたりの売上高の低下を招いた。 pic.twitter.com/h4jbEwXaML— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年7月29日
しかしROSSはショッピングモールではなく独立した店舗ロケーションなので影響を受けなかったどころか、そういったモールの閉鎖に伴う店舗閉鎖などでの処分在庫を安価に吸収し、それを糧にして売上を伸ばしてきた。
ただ、ショピングセンターに出店するタイプのフォーマット(dd’s DISCOUNTS)も少しずつ増やしているが、これはROSS DRESS FOR LESSよりも少し安価な価格設定(20~70%OFF)
なお、ROSSはECサイトは運営していない。あくまで店舗で格安で販売することに特化。
実際のところ、業者が大量にROSSで買い付けてEC(マーケットプレイス)で転売したりもするのである意味でECと共存している。
ROSSの業績と決算
ロス・ストアーズの業績推移グラフ
*2018会計年度はQ2までのTTM
オフプライスチェーンだけあってリーマン・ショックでも増収増益と頼もしい。
利益率が上がり続けているのも良い。
また、配当と合わせて、過去10年間で3割もの発行済株式数を減らすほどの規模の自社株買いによる株主還元を行っている。
<ロス・ストアーズの株価>
ロス・ストアーズの決算を時系列でまとめる
<Ross Stores ’18 Q2決算> 2018/8/23
EPS $1.04 予想 +$0.03
売上 $3.74B (+9.0% Y/Y) 予想 +$80M
既存店売上高前年比 +5% (コンセンサスは+2.5%)
営業利益率が13.8%と前年同期の14.9%から低下。
ロスストアーズ決算
Ross Stores (NASDAQ:ROST) Q2
EPS $1.04 予想 +$0.03
売上 $3.74B (+9.0% Y/Y) 予想 +$80M米国のオフプライスチェーン
既存店売上高前年比+5% (コンセンサスは+2.5%)
コスト増で営業利益率が13.8%と前年同期の14.9%から低下https://t.co/Z8Wc9NmkKJhttps://t.co/E8XcM09klh pic.twitter.com/d4Iyck9ofq
— 米国株 決算マン (@KessanMan) August 24, 2018
<Ross Stores ’18 Q1決算> 2018/5/24
EPS $0.92 予想 -$0.15
売上 $3.59B (+8.5% Y/Y) 予想 +$50M
<Q2ガイダンス>
EPS $0.95~$0.99 (コンセンサス: $1.03)
<FY19ガイダンス>
EPS $3.92~$4.05 (コンセンサス: $4.09)
そういえば最近、(客にあえて宝探し的に商品を探させる結果)売り場汚すぎィ…!!という写真満載の微妙に批判的なメディア記事があった。
“竜巻が通った? アメリカの金融街が「小売業の宝」と呼ぶ店は、驚くほど雑然としていた”っていう記事。
ロスストアーズ決算
Ross Stores (NASDAQ:ROST) Q1
EPS $0.92 予想 -$0.15
売上 $3.59B (+8.5% Y/Y) 予想 +$50MFY19ガイダンス
EPS $3.92~$4.05 (予想: $4.09)米国のオフプライスチェーン。https://t.co/Z8Wc9NmkKJhttps://t.co/jKC6528NGb pic.twitter.com/XfUyi8FS3R
— 米国株 決算マン (@KessanMan) May 25, 2018
<Ross Stores ’17 Q4決算> 2018/3/6
EPS $0.98 予想 +$0.05
売上 $4.07B (+16.0% Y/Y) 予想 +$110M
ロスストアーズ決算
Ross Stores (NASDAQ:ROST) Q4
EPS $0.98 予想 +$0.05
売上 $4.07B (+16.0% Y/Y) 予想 +$110M米国のオフプライスチェーン。
既存店売上高は+5%
FY18ガイダンスの既存店売上高は+1~2%増と慎重な見通しhttps://t.co/Z8Wc9NmkKJ pic.twitter.com/jcO4WkOTjt— 米国株 決算マン (@KessanMan) March 7, 2018
<Ross Stores ’17 Q3決算> 2017/11/16
EPS $0.72 予想 +$0.05
売上 $3.33B (+7.8% Y/Y) 予想 +$60M
ロス・ストアーズ決算 $ROST
EPS $0.72 予想 +$0.05
売上 $3.33B (+7.8% Y/Y) 予想 +$60M参考:
ロス・ストアーズ【ROST】米国最大級のファッション・オププライスチェーンhttps://t.co/Z8Wc9NmkKJ pic.twitter.com/ChJz0EgW5x— 米国株 決算マン (@KessanMan) November 17, 2017
ライバルのTJXが市場予想以下の決算を出したために売られたが、ROSSはきっちり超えてきた。
ビジネスの基調に変化はないが、Amazonがアパレルにプライベートブランドを投入したり注力ぎみで、レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)のようなレンタルドレスサービスが定額でドレス以外の服の借り放題サービスなどラインナップを増やし「家のクローゼットの存在価値を無にする」ことを目標に掲げるほどのシェアファッション革命を起こそうとしていることは気がかりではある。
車もそうだがシェアリングエコノミーの流れで、所有からシェアへ、サブスクリプションへと構造変化が起きているため、このあたりの地殻変動の規模はウォッチしておきたい。
ただ、その場合でも安価なROSSへ直撃する前に高額で定価に近い店舗にダメージが顕在化するはずなので、むしろその場合は在庫処分バイイングパワー格安仕入れでROSSがまた潤う展開になる可能性もある。
もう1点、Twitterなどで評判をチェックしていると頻出する「レジの異常な混雑」は解決が必要かもしれない。
あえてブランドごとにシステマティックに商品を並べない「探す楽しさ」という名の店舗滞在時間増加策を演出しているだけあって、効率化とは逆行していることに顧客がついてきている間は大丈夫だとは思うが。