Adobe Systems(NASDAQ:ADBE)の決算および今後の最新決算を逐次まとめる記事。
Adobeの事業内容に関してはすでに以下の記事で解説している。
Adobeの業績の最新データを整理
Adobe(アドビ)決算まとめ
❶ マルケトとマジェント買収寄与のデジタルエクスペリエンス・クラウド事業は+33.7%成長
❷ すでに深い統合をしているパートナーMicrosoftとの提携をさらに強化
❸ 株価は時間外で+4%(Now)https://t.co/88VtZTNSgN
— 米国株 決算マン (@KessanMan) 2019年6月18日
マルケト、マジェント買収寄与でデジタルエクスペリエンス事業がブースト。
<Q4’18までのコメント>
デジタルコンテンツ制作の現場ではもはや必需品レベルになっているだけあって競争力が高くフリーキャッシュフロー・マージンがすさまじい(株式報酬費用などのアレをふまえても)。
またサブスクリプション転換もほぼ完了したことでFCFマージンは上昇後もいまのところ前年比で高く安定(買収による影響を除く)、経営陣は自社株買いとMagento買収などのコンビネーションで成長・戦略的補強と株主還元のバランスをとってきた。
Adobeが2009年頃からサブスクリプション・モデルに転換してきた経緯はすでに説明しているので省く。2018Q2時点の売上の89%がサブスクリプション(継続課金)などストック型ビジネスによるもの。
無比の強さの中核事業のクリエイティブクラウドは盤石。
サブスクリプション・モデルの企業は売上高よりARR(年間経常収益、もっとわかりやすく言えば年間継続収益)を見た方が良いので、ARRを確認してみるとドキュメントクラウドもしっかり伸びている。
つまり、ドキュメントクラウドはクリエイティブクラウドよりもサブスクリプション・モデル転換がゆっくりとしたものだったということが分かる。
Adobeの決算を時系列でまとめる
<Adobe Systems ’19 Q2決算> 20196/18
EPS(Non-GAAP) $1.83 予想 +$0.05
売上 $2.74B (+25% Y/Y) 予想 +$40M
<Adobe Systems ’19 Q1決算> 2019/3/14
EPS(Non-GAAP) $1.71 予想 +$0.09
売上(ASC606) $2.6B (+25.1% Y/Y) 予想 +$50M
<Q2ガイダンス>
売上 ~$2.7B (予: $2.72B)
EPS ~$1.77 (予: $1.88)
<Adobe Systems ’18 Q4決算> 2018/12/13
EPS $1.90 予想 +$0.02
売上 $2.46B (+22.8% Y/Y) 予想 +$43M
(MAのマルケト買収によるQ4売上高寄与が+21M)
<FY19 Q1ガイダンス>
売上 ~$2.540B
EPS ~$1.60
<Adobe Systems ’18 Q3決算> 2018/9/13
EPS $1.73 予想 +$0.04
売上 $2.29B (+24.5% Y/Y) 予想 +$40M
AdobeがマーケティングオートメーションのMarketo買収の交渉中との噂が報道されていた。
Marketoはマーケティングオートメーションで知られる。
ガートナー調査による「マルチチャネル マーケティング ハブ」におけるAdobeとMarketoのポジションはこんな感じ。
Source: https://t.co/glvp5k0Pjx pic.twitter.com/TEZ3wPhc3F— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) 2018年9月13日
また、ガートナー調査による「デジタル マーケティング ハブ」だとAdobeとMarketoのポジションはこんな感じ。
Source: https://t.co/glvp5kiqI7 pic.twitter.com/gHK5leOKzz
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) 2018年9月13日
<Adobe Systems ’18 Q2決算> 2018/6/14
EPS $1.66 予想 +$0.12
売上 $2.2B (+24.3% Y/Y) 予想 +$40M
<Q3ガイダンス>
売上 $2.24B (コンセンサス: $2.22B)
EPS $1.68 (コンセンサス: $1.64)
Adobeの中核事業であるクリエイティブ・クラウドは相変わらず強い。
数百万点のロイヤリティーフリー素材や商業利用可能な素材など写真・映像・イラストなどが利用できるAdobe Stockも前年比25%と好調。
ただのストックフォトサービスだろうと思っていたのだが、ユーザーレビューを見てみると作業フローの効率化が著しくユーザー目線で設計されていると評価が高かった。
ドキュメントクラウドは電子署名ソリューションのAdobe Signが勢いがある(Fortune 100企業の半数以上がAdobe Signを使用)
電子署名のリーディングカンパニーはDocuSignだが、競争が激しい領域なのでまだAdobe Signが入り込む余地はありそうだ。
Adobeの新しい柱となってきているエクスペリエンス・クラウド(デジタルマーケティング事業など)だが、補強のために主に大企業に強いECサイト構築・運用サービスのMagentoを買収。
マジェントを買収したことで、Adobeはコンテンツ制作、マーケティング、広告、分析、EC構築・運用で包括的にソリューションを提供できるようになった。
AdobeのAIソリューション「Adobe Sensei」と組み合わせて商品画像のAIサジェストや広告画像の顧客にパーソナライズした大量生成などのソリューションが提供できるようになってくると面白そうだ。
Adobe Systemsの株価
サブスクリプション転換で見通しがよくなってから株価は右肩上がりだった。