Illinois Tool Works Inc.【NYSE:ITW】
イリノイ・ツール・ワークスは幅広い事業を傘下におく産業機器等コングロマリット。
投資家視点で見れば、投資家の代わりに専門家として利益率の(競争力の)弱まった事業の売却、既存事業への投資と並行して付加価値やシナジーの見込める事業の買収によって多様化した競争力の高い事業ポートフォリオを維持・管理してくれる工業分野に強いマネージャーのようなコングロマリット企業。
強い事業だけを残し淘汰していく事業ポートフォリオ管理
売上高は伸びていないが、数多くの買収と売却の連続で、競争力のある事業を残し続けてきたITW。
キャッシュ配分も既存事業成長率を高める、または維持する投資を最優先に行い、そういった積み重ねで市場成長率より高い成長を実現している。
ITWの競合他社との営業利益率比較でみえる優位性。
ここで比較している競合とはどこなのか?に関しては以下の各事業部門で記載する。
ITWの7つの事業部門
<自動車OEM>Automotive OEM
競合他社: Actuant, Allison Transmission, Anixter, Delphi, BorgWarner
<試験&測定・エレクトロニクス>Test & Measurement/Electronics
競合他社: Fortive, Keysight, MettlerToledo, Renishaw, Spectris, Thermo Fisher
<食品機器>Food Equipment
競合他社: Welbilt, Middleby
<ポリマー・流体>Polymers and Fluids
競合他社: 3M, DowDuPont, Huntsman
<溶接>Welding
競合他社: Kennametal, Lincoln Electric, Colfax
<建設製品>Construction Products
競合他社: Carlisle, Crane, Ingersoll-Rand, Masco, Stanley Black and Decker
<特殊製品>Specialty Products
競合企業: Ball, Berry Plastics, and Bemis
イリノイ・ツール・ワークスの業績推移グラフ
(2017年はTTM)
売上高は伸びていないが営業利益率が高まっている。
また、すさまじい自社株買いによってEPSは伸びている。配当貴族のような長期連続増配株を好む投資家も買い支えていることだろう。
全部門において成果指標を以下の3つを中心にフォーカスしている。
1. Organic Growth
2. Operating Margin
3. ROIC
既存事業成長をサポートまたは維持する投資が最も優先順位が高い。
こういったコングロマリットのキャッシュ配分は参考になる。
イリノイ・ツール・ワークスの株価
イリノイ・ツール・ワークスの決算を時系列でまとめる
<Illinois Tool Works ’17 Q4決算> 2018/1/24
EPS $1.70 予想 +$0.08
売上 $3.63B (+6.8% Y/Y) 予想 +$90M
<1/24>イリノイ・ツール・ワークス決算
Illinois Tool Works (NYSE:ITW) Q4
EPS $1.70 予想 +$0.08
売上 $3.63B (+6.8% Y/Y) 予想 +$90Mイリノイ・ツール・ワークス【ITW】利益率の高い事業だけを選別し続けてきた連続増配のコングロマリットhttps://t.co/dTqy7Ese1q pic.twitter.com/FecRtJ5Ard
— 米国株 決算マン (@KessanMan) January 25, 2018