PPG Industries, Inc.【NYSE:PPG】
PPGインダストリーズは米国のコーティング・塗料メーカー。
現在PPGは世界三大塗料メーカーのうちの1社で、元々は板ガラス製造会社として1883年に米国で創業されるが、同じ流通チャネルで塗料を販売できるということで塗料事業を1900年代に開始し、今では主力事業となる。
塗料・コーティングは細かな発色で製品を魅力的に見せ、自動車などの腐食を防いだり、航空機の燃料あたりの効率を向上させるなどの機能性にも貢献するものもある。
塗料・コーティング以外の事業を全て売却し利益率を高めたPPG
主に自動車・航空機・船舶向け重防食塗料などの特定用途向けコーティング事業で、残りは建築用塗料など。
過去10年でガラス、化学品製造など利益率が低く業績の変動の激しい事業を売却し、塗料・コーティングに事業ポートフォリオを集中させた。
たとえば、PPGが1950年代に開始したガラス繊維(グラスファイバー)の欧州・米国事業を日本電気硝子に売却している。
PPGが46年連続増配し競合塗料メーカーも39年連続増配、これは…
配当性向はここ数年30%台前後で推移。2010年頃からインパクトのある自社株買いが始まった。
PPGだけではなく塗料・コーティング業界に連続増配企業がやたら多く、その理由は以下の記事に推察している。
塗料業界のマーケットシェアも上記記事で紹介している。
2008年、PPGとしてはオランダの建築用コーティング大手シグマカロン・グループ(SigmaKalon Group)を買収したが、これはPPGとしては過去最大の買収。この買収によりPPGは欧州を中心にアメリカ大陸以外のシェアを拡大した。
2013年、アクゾノーベル(AkzoNobel)の北米建築塗料事業を買収。PPGの当時過去2番目の買収規模。
(ちなみに2017年にアクゾノーベル自体を買収しようとしたが、度重なる買収金額引き上げオファーにも関わらず拒否されてしまった。)
2014年、PPGはメキシコの塗料メーカーであるコンソルシオ・コメックス(Consorcio Comex)を買収し、メキシコを中心とした中米の建築塗料市場シェアを拡大。
このように同業塗料メーカーの度重なる買収によって世界全域でシェアを拡大した。そして断片化された市場シェアで、まだまだ買収余地はある。
PPGインダストリーズの業績推移グラフ
積極的なR&Dの支出で、業界でも屈指の特許保有数。
マージンの高い特殊コーティングの比率を上げたことで利益率が上昇中。それほど設備投資が必要なく安定したフリーキャッシュフロー・マシーンとなっている。
PPGインダストリーズの株価
リスクは塗料に含まれるナノ材料(直径100ナノメートル以下の粒子からなる材料)が空気中に暴露した際の懸念。過去こういった問題に関連するアスベスト訴訟に賠償金を支払っている。これに関してはリスク軽減に向けた対策を講じているという。
PPGインダストリーズの決算を時系列でまとめる
<PPG Industries ’18 Q3決算> 2018/10/18
EPS $1.45
売上 $3.82B (+1.1% Y/Y)
PPGインダストリーズ決算
PPG (NYSE:PPG) Q3
EPS $1.45
売上 $3.82B (+1.1% Y/Y)46年増配のコーティングメーカー。
原材料コストの増加、中国の需要減速でQ3ガイダンスを一週間前に下方修正(その時株価-10%)していた通りの結果となった。https://t.co/6dZZVUnEDqhttps://t.co/q3gEnfhSLG pic.twitter.com/FrL7iP6kCo
— 米国株 決算マン (@KessanMan) October 18, 2018
<PPG Industries ’17 Q4決算> 2018/1/18
EPS $1.19 予想 +$0.01
売上 $3.68B (+7.6% Y/Y) 予想 +$80M
<1/18>PPG決算 (NYSE:PPG): Q4
EPS $1.19 予想 +$0.01
売上 $3.68B (+7.6% Y/Y) 予想 +$80M世界3大コーティング・塗料メーカー
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