S&P Global, Inc.【NYSE:SPGI】
S&Pグローバルは世界2大格付け会社の一角で、指数算出のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス事業も手がける。
格付け会社についてよく分かる記事を作ったので参考にしてください。
S&Pグローバルの主力は格付け事業
Ratings: 売上・営業利益のおよそ半分を占める格付け事業
Indices: インデックス事業(代表的な指数 S&P500とダウ平均株価指数)
Market Intelligence: 財務データ・分析ツール事業
Platts: コモディティを中心とするベンチマーク・データ提供事業
格付け事業以外はRecurring Revenue(経常収益)比率が高く、つまりストック型で売上の予測可能性が比較的高いビジネス。
S&Pグローバルの四半期業績推移と最新データ
<グラフ調整中>
事業再編やらで連続的データ取りづらかったのでイマイチ把握しづらいが後述する年次データと合わせてチェックしてほしい。
2015年の利益がひどいことになっているのは米司法省や州政府に15億ドルの制裁金を支払ってサブプライムローン担保証券の不適切格付け問題で和解した一時的な影響。
これは格付け会社とはの記事で詳しく説明している。
それでは、S&Pグローバルの4つの事業部門について簡単に解説していく。
S&Pグローバル・レーティングはストラクチャード・ファイナンスで打撃を受けるも…
上記格付け会社解説記事でも触れているが、サブプライムローン担保証券などで盛り上がったストラクチャード・ファイナンス(仕組み金融)が一気に膨れ上がり、そして破裂していることが以下のS&Pグローバルの格付け事業売上高推移で分かる。
一方で、従来の格付け事業である企業や政府、地方自治体の格付け事業はさほど影響を受けていないことも分かる。
2大格付け会社であるS&Pに対し、もう1社はMoody’s(ムーディーズ)
S&P グローバル・マーケット・インテリジェンス
元S&P Capital IQで、米国企業の財務データを扱う書籍などでもよく登場する。
機関投資家、投資顧問会社、資産運用会社、金融機関、政府関連機関、事業会社、大学などの顧客向けに、様々な資産クラスの財務データ(リアルタイム含む)や業界データ、調査、分析ツールを提供。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
S&P500やダウ工業株価平均指数のような米国株の代表的指標を所有している。最強すぎるだろう…。
もともとS&P Indices(S&Pインデックス)とDow Jones Indexes(CME傘下のダウ・ジョーンズ・インデックス)は別々の事業体だったが、2012年から合弁会社となり、S&P-Dow Jones Indicesの株式持ち分およそ7割をS&Pグローバル(当時はマグロウヒルファイナンシャル)が所有。
S&Pグローバル・プラッツ
Platts(プラッツ)は1909年にWarren C. PlattがNational Petroleum News(NPN)という石油産業情報を提供する月刊誌を創刊したことで始まった。
現在、プラッツは、石油、LNG、石炭、石油化学、電力、鉄鋼など金属、農産物、それらの輸送船マーケットに関する情報・価格指標・産業調査分析の最大手の情報配信会社。
価格指標=ベンチマーク参考価格の主要な情報源で最新の市場動向を追うために必要な価格アセスメント(価格発見・参照ニーズに応える需給を適切に反映した価格指標を提供・評価)会社として名高い。
S&Pグローバルの年次業績推移グラフ
S&P Global Plattsの業績はJ.D. Power(市場調査・コンサルティング会社)を中国のXIOグループに売却した影響を除く。
2014年から2018年にかけて自社株買いで10%ほど減らしている。
<S&Pグローバルの株価>
もともと出版社だったマグロウヒル(S&Pの旧社名)が1929年に創刊したビジネスウィーク誌を2009年にBloombergに売却し、後に出版・教育事業を売却するなど現在の金融情報サービス会社S&Pグローバルと社名変更し方向性をはっきりさせたのは2016年。
1966年にマグロウヒルがスタンダード&プアーズを買収して以来、本業が徐々にシフトしていった。
S&Pグローバルの決算を時系列でまとめる
<S&P Global ’18 Q2決算> 2018/7/26
EPS $2.17 予想 +$0.04
売上 $1.61B (+6.6% Y/Y) 予想 +$10M