Googleの持ち株会社アルファベット決算まとめ【NASDAQ:GOOGL】

グーグルの持ち株会社アルファベット(NASDAQ:GOOGL)の決算を逐次まとめる記事。

Alphabetの四半期ごとの業績と成長率

✓ EU制裁金を過去2年3回くらっているGoogle、再び。

✓ 全体的にマージンの悪化トレンドが続く。

✓ 売上高成長率以上の従業員数増。

<以下、FY2018まで>
データセンターへの投資に積極的。

Google properties
Google検索で表示される広告やGoogle傘下のYouTube広告など。

Google Network Members properties
Googleブランド以外の他社媒体でAdWords広告などで出稿され表示される広告など。

これらを合わせた広告ビジネスがGoogleの売上高の86%を占めているわけだ。

Google other revenues
GCP(Google Cloud Platform)やスマートスピーカーのGoogle Homeやスマホなど広告以外の事業が含まれる。

Other bets
自動運転のWaymoや主に新興国で気球でWi-Fi接続を提供するProject Loon、医療テックのVerily、サイバーセキュリティ企業Chronicleなど。

EUによる制裁金を含めると以下のように

Google-EC-fines

たとえば営業利益は2018Q2だと9%となる。

モバイル広告比率の高まりや新興国における広告の成長などもあってクリック単価は減少しているが、広告のクリック数(Paid clicks on Google properties)が加速している点が興味深い。グーグルの規模を考えるとすさまじい増加率だ。

世界的に検索エンジンでトップシェアで、動画・ライブの時代となってYouTubeも伸びているのが大きい(動画広告という将来の広告単価UP要因に)。

やはりデジタル広告の圧倒的なシェア、独占的(Facebookと共に複占的な)なポジションに陰りは無さそうだ。

購買動向の接触レイヤーをおさえているAmazonが広告ビジネスを加速させており第三極として台頭しているが。

Googleのシュミット元会長が「検索のライバルはAmazonだ」と言っていたが、広告でもライバルになる兆しがある。

米国で3割の消費者がオンラインで商品を買おうと思った時にファーストチョイスでAmazonを選ぶという調査がある。 Amaz...

グーグルの決算を時系列でまとめる

Alphabet ’19 Q1決算> 2019/4/29
EPS(Non-GAAP) $11.90 予想 +$1.29
売上 $36.34B (+16.7% Y/Y) 予想 -$1.02B

Alphabet ’18 Q4決算> 2019/2/4
EPS $12.77 予想 +$1.91
売上 $39.28B (+21.5% Y/Y) 予想 +$380M

Alphabet ’18 Q3決算> 2018/10/25
EPS $13.06 予想 +$2.6
売上 $33.74B (+21.5% Y/Y) 予想 -$310M

TAC(トラフィック獲得コスト)をおさえて営業利益率が改善。

これだけクラウドに設備投資していてもその他グーグル事業部門の成長率は内訳が開示されていないのでクラウド(GCP)の伸びがどの程度なのか具体的には分かりづらい。

Alphabet ’18 Q2決算> 2018/7/23
EPS $11.75 予想 +$2.21
売上 $32.66B (+25.6% Y/Y) 予想 +$530M

すでにこの記事の最初の方でグラフ化しているが、荒ぶっていたTACが落ち着き、利益率が改善された。

Google動向のチェック

Google(アルファベット)は売上高のうち広告ビジネスが86%の比率を占める企業だが、クラウドやスマートスピーカー、スマートフォン(Android)などその他の事業も手がけている。

Amazon Echo(Alexa)の成功に続けとばかりにスマートスピーカーのGoogle Homeを販売したが後発ながら一気にシェアを奪還。

Alexaの多言語対応が難しかったのか米国以外の販売が出遅れたこともある。

さて、Google other revenuesの中でも重要なGoogleクラウドのマーケットシェアを確認。

こちらはパブリッククラウドのシェア。もう大手寡占状態。

IaaS, PaaS, プライベートクラウドを含めたシェア推移でもグーグルは伸びている。

アルファベットの医療テック子会社Verily(ヴェリリー・ライフ・サイエンシズ)もいくつかニュースになる動きをしている。たとえば網膜スキャン+AIによる心疾患診断。

また、Verilyといえばジョンソンエンドジョンソンと組んだ手術支援ロボットのインテュイティヴ・サージカルのda Vinci対抗のロボットを開発中。

世界における医療用ロボットおよび補助の手術機器の市場は2022年までに180億ドルに拡大すると予想されている。(Source: Bo...

そして何よりYouTubeに改めて注目したい。2006年にGoogleがYouTubeを16億5000万ドルで買収していたのは本当に大きい。

YouTubeを日常的に視聴している人が予想以上に多かった。

若い人を中心に老若男女で人気という傑出した存在のYouTube

ライブストリーミングでも伸びているYouTube

そう、全領域をカバーしている。

あとは「モバイル時代は地図が重要」ということでGoogle Mapなんかも面白いことになってるのだが、長くなるので別の記事で書く予定。

Google株価

株価$1000レースをしていたAmazon株価とかなり差がついてしまった。