スリー・エム(3M Company)は1902年創業、研磨材メーカーとしてスタートした3Mは現在は世界有数のコングロマリット(多角経営企業)に成長。3Mの由来は社名がもともとはMinnesota Mining & Manufacturing Co.であったため。その社名の通り創業したミネソタ州に本社を構える。海外売上高が大半を占める(65%以上)
3M株価チャート
1921年に発売した世界初の耐水サンドペーパーの大成功から快進撃を続け、現在は化学・電気素材を中心に約6万種類の製品数、4万以上の特許取得とアイデアを電気電子・電力・通信関連、建築・ディスプレイ関連、ヘルスケア、セーフティ・セキュリティ関連、自動車・交通関連、産業関連、オフィス関連、ホーム&レジャーに展開するイノベーティブな素材ヒットメーカーとなっている。
そのイノベーションを支えるのは同社独自の「15%カルチャー」が有名です。労働時間の15%を費やして課された仕事以外の研究に取り組むことができるというもの。ビジョナリーカンパニーやエクセレントカンパニーで取り上げられるも未だその強さに陰りを見せない強い企業と言えるでしょう。NYダウ株価平均採用銘柄でもあります。
スリーエム業績推移グラフ
ポストイットやスコッチブライトなど身近なところにも3Mの製品が存在感を発揮しています。
競合他社・ベンチマーク企業
エイブリィ・デニソン(AVY)
―Avery Dennison Corp
―粘着剤ソリューション
ゼネラル・エレクトリック(GE)
―General Electric
エマーソン・エレクトリック(EMR)
―Emerson Electric Co.
ダナハー(DHR)
―Danaher Corporation
ハネウェル・インターナショナル(HON)
―Honeywell International Inc.
イリノイ・ツール・ワークス(ITW)
―Illinois Tool Works Inc.
Shurtape Technologies(非上場)
Lexmark International
Transweb LLC
みんなの投資分析とコメント
買収ではない既存事業からの売上高成長率がちょっと物足りないですね。
ただ、成熟企業としては安定感があるので、自社株買いや、この調子で連続増配で配当金を増やしてくれることを期待しています。
スリーエムは連続増配56年という配当貴族としては欠かせない企業であることも忘れてはなりません。
フリーキャッシュフローからきっちりと配当を出しているのと多角化され安定した事業ポートフォリオなのでまだまだ連続増配記録は更新され続けるのではないでしょうかね。
現在最も普及している聴診器のリットマン聴診器もスリーエム社の製品ですね。
自社株買いも毎年おこなっており配当だけでなく株主に還元する姿勢が素晴らしいです。
ROEも安定で負債比率も低く財務健全。さすがダウ採用銘柄といったところ。
現在3Mの売上高の海外比率60%以上ですから、決算みてもドル高の影響はありますね。ドル高の打撃(と事業買収の影響)を除けば6.3%の増収ですし。
事業買収を積極的に行っていく方針だそうですが、さっそく医療・工業用膜事業分野の強化のためにポリポア(米国Polypore International NYSE:PPO)の分離膜事業を10億ドルで取得していますね。
ポリポアの主力事業であった分離膜(メンブレン Membrana)というのはヘルスケアと高性能工業用の両分野で活用されており、血液透析膜、血液酸素化(人工心肺膜)、血漿分離、工業用膜などに使用されているものです。
MMM 2015年1-3月期 Q1決算
純利益: 1株当たり1.85ドル
前年同期: 1.79ドル
市場予想: 1.92ドル
純利益は前年同期12.1億ドルから12億ドルに減少したが、自社株買いのおかげでEPSは増加。
売上高: 75.8億ドル
前年同期比: 3.2%減
買収や為替の影響等除くと: 3.3%増
市場予想: 78.4億ドル
2015年通期利益予想が下方修正された
通期1株利益予想: 7.80~8.10ドル
従来予想: 8.00~8.30
海外売上高が2/3の3Mだけあってか為替変動による下方修正です。
3MのQ3決算はEPSはOKで売上高は×
EPS of $2.05 市場予想 $2.00
売上高 $7.71B 市場予想 $7.85
売上高前年比-5.3%
1500人のリストラを発表。